旅のストーリー

我々がよく耳にする、世界的なホテルブランド。
グループ化が進む世界のリゾートホテルにおいて、こうしたブランドがホテル名に冠せられるケースも増えている。
だが注目すべきは、こうしたホテルが、決して画一的なデザイン、画一的なホスピタリティで世界中にその翼を広げているわけではなく、ひとつひとつの展開に、現地の空気感・風土を巧みに融合させていること。
ブランド力だけでゲストを引き付けることができる時代は、すでに終わりを告げているのだ。
そして、常なるチャレンジを必要としているのは、リゾートホテルを新設する局面だけではない。
現地において長らく、圧倒的なステータス、ポジショニングを誇ってきたメジャーブランドの看板ホテルにおいても、大幅な改装タイミングに合わせて、大きな革新が迫られることになる。
これまで築き上げてきたコンセプトの、さらなる進化。
それは、より快適な居住性が求められる部屋、ゲストのホテル選びの重要な選択肢となるバスルーム、ホテルの格を決定付けるレストラン、癒しの空間として存在感が増しているスパに至るまで、全ての要素に及ぶ。
革新的なチャレンジを続けながらも、従来から受け継いできたサービスの柔軟性・洗練性をそのままに残してくれているメジャーブランドへの安心感も薄まることはない。
大資産家が、資金に糸目を付けずにつくった豪華なラグジュアリーホテルも注目を集めている現状ではあるが、バージョンアップを加速させる元気なメジャーブランドがそれにも増して活発な発展を遂げ、ともに高いレベルで競い合っていることが、リゾーターとしては嬉しいところでもあったりする。