旅のストーリー

リゾートのリニューアルにおいて、スパを強化するのは、世界的な傾向。
ホテル名に「スパ」の名を冠するようになったリゾートも数多い。
けれども、本当の意味での「スパ」を体験できるところは、決して多くないことも事実だ。
知らず知らずのうちに、ともすれば安易に使われがちになってきているこの言葉。
本格的なスパ・リゾートとは、「スパに重点を置いたリゾート施設」といった紋切り型の紹介では決して括れない、スパの存在、それを取り巻く世界観が、リゾートそのもののアイデンティティを定義付けているような至高の場所を指すのである。
身体の物理的な健康だけにとどまるわけではなく、また、一時的な精神的充足感だけにとどまるわけでもない。
身体と心のバランスが調和した一体感、そこから導き出される安らぎこそ、本当の価値。
滞在中に即効的な効果を生み出すことはもちろんのこと、滞在を心行くまで楽しむこと、そして、滞在後も、そのプロセスや効果を毎日のライフスタイルに取り入れ、生かしていくことにつなげるという長いスパンでのゲストへの影響力を持ってこそ、スパ・リゾートとしての確たる証が生まれるのである。
そして、進化の方向性は、医学療法との接点をますます増やしつつある。
最新の医科学知識、それを基にした実践例や革新的手法を積極的に取り込みつつ、人間に内在する限りない治癒力を導き出す東洋医学のエッセンスとの融合を図るなど、その進化は一層ワールドワイドなブレークスルーを巻き起こしていく。
ひとりひとり、身体や心が抱えている現状は違うもの。
専門家が丁寧にカウンセリングをしながら、ゲストひとりひとりにとっての最良のプランが示される。
身体的・精神的に蓄積したストレスを、どう解消していくか。
長い時間をかけて蓄積されてきた老廃物を、いかに流し出すか。
マッサージやフィットネスの組み合わせによって、健康な身体をどうつくっていくか。
食事療法やウェイトマネジメントを、いかに持続的なものにするか。
そしてなんといっても重要なのは、全体のバランスを見て統合的に美と健康を維持・深化させていく「ホリスティック・ウェルビーイング」の思想。
本格的なスパ・リゾートでは、こうしたテーマにも、個々人に適した明確な回答が用意されている。
何色もの青に彩られた海、自然の呼吸がダイレクトに伝わってくるガーデン、深い緑、景観に調和した穏やかな部屋......第六感に至るまで、ゲストのあらゆる感性を刺激し、心地よい安らぎへと導いてくれる理想郷への滞在は、長い期間をとって、一瞬一瞬をかみしめるように、ゆったりとした心もちで過ごすことをおすすめしたい。